債務のない社会を目指して
飲食店、リテール小売店舗、各種サービス業などの各分野で中小零細店舗は日本の重要な経済基盤です。その殆んどに在庫仕入れ資金、設備購入や店舗改装資金などの短期資金ニーズがあるにもかかわらず、一般金融機関では必ずしもそのニーズに十分に応えていません。民間会計業務会社の調査では実際に資金需要があっても最初から調達する事さえ諦めている店舗オーナーが全体の半数近くに上っているのです。
ビジネスファンディングはこのように中小零細店舗や不動産オーナーなど多くの人の短期資金ニーズに応える資金調達方法です。人類の金融史上、二十一世紀に入って初めて登場したデータによる非負債型資金調提供サービスであり、アメリカのようにやがては日本やアジア圏でもこれが中小零細金融の重要な一角になっていくことが予想されています。「債務ではない」画期的な事業資金提供サービスです。
ビジネスファンディングは宿泊、飲食、リテール小売、各種サービス、飲料自販機設置場所、コインパーキング、賃貸不動産などを一般消費者に提供する中小零細業者が主な対象です。これは将来のある一定期間の売上や賃貸収入の一部を買い取ることで資金提供を可能にするものです。
もっと分かりやすく言うと、向う半年から二年間程度の事業継続に必要な資金を除く余剰キャッシュ(=利益想定分)を今すぐ、現金化しますというサービスです。近い将来の売上や利益がいくらになるかは過去の営業実績データから想定できます。賃貸収入の場合は賃貸契約がベースになります。これらの将来収入の一部を今すぐ、現金化できることで、金銭債務を抱えこむことなくまとまった資金を様々な用途に使うことができるのが特長です。ローンではないので金融機関が求める年収による総量規制の対象外になり、個人信用情報も必要ありません。
ローンは場合によっては個人保証だけでは不足なので、返済能力のある連帯保証人を求められる事があります。この問題点は、一度事業に失敗すれば負債を背負ってしまう可能性があることです。また親兄弟や友人など大切な連帯保証人にも大きな迷惑をかけてしまいます。不動産が担保になっている場合はその不動産を取られてしまう場合もあります。ビジネスファンディングでは個人保証や担保といったものはないので、そのような心配はありません。
ローンのような伝統的な金融方法ではなく、失敗しても何度でもチャレンジできる社会や資金提供サービスの方が、チャレンジする人が増えるので経済基盤は活性化します。今世紀に入って急速に進行しつつあるデータエコノミーやフィンテックの発展と同時にこれが可能になりつつあるのです。
実際にメジャーな金融機関でも担保至上主義から、売上や賃貸収入さえ把握できれば信用度を査定する流れに移りつつあります。一般にはトランザクションレンディングと言われていますが、ビジネスファンディングもこの大きな流れに沿うもので、基本的に事業データ分析によりリスクを管理するという資金提供サービスの一つです。
「ある時払いの催促なし」 ビジネスファンディングの仕組み
あるレストランで過去の売上実績から、向う一年間で2000万円の売上が想定できるとしましょう。そして仮に利益相当分が9%の180万円とするとこの利益相当分である「売上の9%」を現金化するのがビジネスファンディングです。
当然ながら、このレストランが精算を終える前に廃業してしまうリスクを考慮する必要があります。そこで180万円分を受け取る権利をリスク見合いで割り引いて150万円で買取るとすると、売ったお店の方はただちに150万円の現金を手にすることができ、弊社のようなファンディング会社は向う一年間程度の売上から180万円を受け取る権利を得ることができます。そしてその差額30万円がファンディング会社の収益となるのです。そしてファンディング会社は向こう一年間、売上から買取比率の9パーセントにあたる月額を180万円に至るまで受け取ることになります。
このように、ビジネスファンディングとは顧客店舗の将来売上の一定部分をディスカウントで買い取り、買取額面の精算が完了するまで、一定の比率で将来売上から精算するビジネスです。
これにより、ビジネスファンディングがローンと本質的に違う点は
① 金利がない (代わりに買取手数料がある。)
② 返済期限がない。 (ファンディング会社側での査定プロセスにおいては、想定精算期間がある。)
③ オーナーの個人保証はなく当然ながら連帯保証人も必要ない
④ 担保提供もない。
⑤ 債務者遡及しないので、売り手のオーナーが万一廃業した場合は売上自体がなくなるので精算自体もなくなり、オーナーに未精算残高の精算義務もない。
⑥ 売上のアップダウンに伴い、精算額も同じ比率で増減するので、閑散期の負担が少ない。
プレゼントバリュー
ビジネスファンディングは、中小店舗事業者にとって今ある現金の価値は、将来の一定期間に得られる同額の現金の価値よりも大きいという、プレゼントバリューの考え方を活かしています。多くの中小事業者にとっては事業に使える現金が今あることによって、その現金を得る為のコスト以上の利益やリターンを将来的に得ることが出来るという意味になります。
定額返済vs.定率精算
一般的なローンの場合は返済期間で金利元本の一定額を支払う義務があり、たとえその月の売上が落ちても、当然ながら毎月の定額金利元本支払を要求されます。ファンディングの場合はその月の売上の一定率を買い取っているため、何等かの理由で売り上げが半減した場合でも、比率は一定なので、精算額も半減することになります。逆に売上が倍増した場合、同じ比率で精算額も倍増することになります。
ビジネスファンディング利用方法
当然ながら、ビジネスファンディングを利用するためには最低限の売上や賃貸収入が安定してある事が必要です。弊社では独自のデータベースにより、適格業者様にファンディング枠をご提供しています。
現時点では一定のクレジットカードなどのキャッシュレス売上があることが必要ですが、それは精算回収がクレジットカードの決済代行会社からお店の銀行口座への振込金額をベースに精算するようになっているからです。したがって売上がほとんど現金という店舗も今のところは対象にはなりません。しかし日本も今後はPOS レジやキャッシュレス決済が主流になって行くので、電子マネーなど多種多様な決済手段が利用できるようになっています。これらの多様な決済プラットフォームとデータを利用してより多くの中小零細店舗がビジネスファンディングで事業資金の提供を受けることができるようになるでしょう。
「ある時払いの催促なし」で精算はどうなる?
ビジネスファンディングの精算は毎月クレジットカードなどのキャッシュレス決済代行業者から店舗の銀行口座に振り込まれる金額から精算されます。この精算のために別口座を開設したり、場合によっては店舗銀行口座から直接精算することもありますが、基本的には同じ内容です。
当然ながらお店は客商売であり、売上は季節要因もあって、アップダウンがかなりあります。仮に天候不順で一時的に客足が減っても、毎月定額を支払うローン返済とは違い、ファンディングの精算は売上にスライドした定率なので、オーナーにとっては優しい資金提供サービスと言えます。
仮に売上が半減したとしましょう。キャッシュレス売上も比例して半分に落ち込むので精算額も半分になります。通常ローンなら売上が半減したとしても、毎月一定額を返済する義務がありますがファンディングの場合、落ち込んだ分は精算されません。つまり実質的な「ある時払い」ということになります。
もし営業不振に落ち込み、店をたたんだ場合はどうなるか?
お店を廃業すればカードなどのキャッシュレス売上もなくなるので精算もなくなります。しかしそれでも返済催促されることはありません。そもそも金銭債務自体が存在しないから、返済義務はないのです。ローンならこれを「貸し倒れ」といいますが、ファンディングの場合、「買い倒れ」ということになります。買い倒れた場合、弊社が当該買取分についての損失を全面的に負うことになります。
廃業に至らずとも、売上がずっと落ち込んだままだとどうなるか?
弊社への精算支払額がカード売上に比例して落ち込んで行くので精算ペースが遅くなるだけです。つまりファンディング会社の査定上の想定期間に数ヶ月がプラスされることになるわけですがしかし、この場合でもローンとは違い、延滞ペナルティーのようなものは存在しません。
お店のオーナー様にとっては、とても便利で使い勝手のよい資金提供サービスということがお分かり頂けたでしょうか? 確かにリスク見合いで買取の際にディスカウントはあるものの、オーナーが余分に金銭債務をかかえこまないで今、現金を入手できるというメリットは大きいと言えます。例え廃業して精算できなくなっても、個人信用情報がブラックにならないので、積極的にリスクが取りやすくなります。